さえたん日記

アクチュアリーを目指す方々にお役立ちな情報を載せていきます!

一次試験・受験科目数は何科目が最適なのか?

結論から申し上げますと、2科目です。受験するならば、数学×損保数理生保数理×年金数理の組み合わせをお勧めします。こちらの理由は、各科目の勉強法でご説明します。

 

私が受験してみた感触としても、3科目以上の受験は推奨いたしかねます。理由は以下の通りです。

 

 

【3科目以上の受験が非推奨な理由】

数を打てば当たる試験ではない

一度受験された方ならばお分かりでしょうが、1科目の合格率は、大変優秀なアクチュアリー受験生が受験してもなお、大体15~20%であり、ビッグウェーブの1科目合格するにしてもそれなりの労力を費やす必要があります。ある程度の対策を積まないと、恐らく不合格Ⅱすら届かないかと思います…。5科目受験して2~3科目合格というよりはむしろ全滅するケースが多い印象あるので、やはり欲張らずに手堅くいかれるのがよろしいでしょう。

 

試験直前期の負担が重い

数学KKTなどであれば、暗記量が多く、出題範囲も広い科目も併せて受験するケースが多く、年金・損保などであれば、新傾向の問題対策に余念がないかと存じます。暗記のメンテナンスに手間がかかることや、新傾向の問題対策にしても労力がかかるため、直前期の詰め込みは、キャパオーバーを起こし、結果としてどの科目も準備不足で特攻しがちになりやすいですよね。1科目増えるだけでも、かかる負担はぐっと増すものですし、科目数を絞って集中して勉強していれば合格できたであろう科目すら落としかねないリスクを鑑みると、やはり多科目受験は推奨しかねるのです。キャパシティは人に依りけりだとは思いますが、「確実に」合格できる水準を同時にキープできるのは(多くて)3科目が限度だと思います。(ただしこの場合、メンタルも詰みやすくなるので注意)

 

連日の受験により、体力気力の消耗が激しい

慣れない環境に、緊張感の中で、3時間頭をフル回転させるというのは、予想以上にストレスフルなものです。私は、1日1科目受験するだけでも帰りには口も聞けなくなるくらいには疲労困憊しました。ですのでより万全なコンディションで臨むためにも、1日1科目にとどめておくとよろしいでしょう。1日2科目受験ならば、激しい消耗が予想されるので、翌日はご自身のためにも、休まれた方がいいです(よしんば受験しても、万全とはいえないコンディションで臨むことになる可能性が高いです)。

 

先に受験した科目の手ごたえを引きずりやすい

人間はそう強くないので、どうしても先に受験した科目の手ごたえを引きずってしまうものです。いい手ごたえの流れを引き継げたならば良いのですが、アクチュアリー試験はそう易しくはなく、悪い手ごたえを引きずってしまうことも多々あり、後の科目のパフォーマンスに影響してしまう恐れがあります。特に、一生懸命に頑張ってこられた方ほど、絶望感も(悪い意味で)ひとしおでしょうから、さぞやお辛いかと存じます

2019損保を受験した後、モチベーション低下と心的ダメージが激しく、明日のKKTに行きたくなくなったのでとてもよく分かります。こういったリスクを回避するためにも、やはり多科目受験は推奨致しかねます。

 

最初からビッグウェーブ狙いだと、まず合格できない

ビッグウェーブの年だとしても、暗記の精度の高さと、典型問題を「百発百中」で解けるだけの水準が必要になってくると思います。そこで、最初から目指すべき水準を低めに設定してしまうと、やはり暗記漏れや「出来ると思ったのに出来ない」といった詰めの甘さが出てきてしまうものかもしれません。周囲のお話を聞いていても、難化しようと「絶対に受かる水準」を目指した方が合格することが多いように感じます(もちろん、こういった方は難易度関係なく合格なさっていますね)。

無勉強で合格なさる方は、実務経験がある方だけのような…笑(年金アクチュアリーは年金のビッグウェーブだと、無勉強でも合格なさる方もいるようです)

 

私の体験談で申し上げますと、2019年度で数学、損保数理、KKTの3科目を受験しましたが、「確実に」合格する水準を「3科目同時に」キープするのは非常に厳しいため、とてもとても辛かったです。(勉強中に悲しいわけでもないのに、勝手に涙が出てきたり、就活でお会いしたアクチュアリー正会員の面接官の方にも「3科目合格とは、さぞやお辛かったでしょう…」と開口一番に労りのお言葉を賜りました)

 

先の記事で、3科目以上同時に合格すると口々に褒めて頂けると書きましたが、それは裏を返せば、3科目以上同時に合格するのは、正会員になられるような優秀な方でも、そう簡単なことではないということなのだと思います。3科目以上同時合格を目指されるチャレンジングな方は、そういったことも心に留めておかれるといいかもしれませんね。

私は「たまたま」運が良かっただけで、今受けていたら…自信ないですね苦笑 

一か八かみたいなギャンブルは読者の皆さんにはあまり味わって頂きたくないです(^^;)

 

【受験プランについて】

なるべく、年金と損保が両方揃って残らないような受験プラン構築(ラスト2科目が年金・損保とならないよう)をおススメします。というのも、いずれも一次試験科目の中では双璧をなす難関科目なので、この2科目が残ってしまうと、心理的負担が大きくなってしまうためです…。

実務イメージの有無が合否に影響してくる科目でもある(特に年金)ので、損保アクチュアリーになる予定の方は年金を、年金アクチュアリーになる予定の方は損保を早めに受験されるとよろしいでしょう。

 

 3科目以上の受験は非推奨と言いながら、事情によりそうせざるを得ない方もいらっしゃると思うので、同時に科目勉強を両立させるコツも追って記事にしますね。