さえたん日記

アクチュアリーを目指す方々にお役立ちな情報を載せていきます!

アクチュアリー一次試験【数学の勉強法】

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【特徴】

アクチュアリー受験生が最初に受験することが多い科目。

「確率」「統計」「モデリングで構成される。

微積分・線形代数微分方程式・重積分など大学教養科目レベルの知識で対応可能

④一次試験の中では比較的難易度は低めだが、計算量が多く、出題範囲が広いため、意外と何年も受からない人もいる。

⑤一次試験の中では、唯一、指定教科書の重要性が相対的に低い(モデリングはこの限りではない)

暗記で秒殺できる問題も多い

 

【合格率の推移】

年度 2019 2018 H29 H28 H27 H26 H25 H24 H23
合格率% 23.9 13.0 10.3 19.7 20.2 26.5 18.4 46.8 11.1
年度 H22 H21 H20 H19 H18 H17 H16 H15 H14
合格率% 11.9 18.9 22.8 41.8 10.6 7.2 6.8 17.7 17.1

 

【得点戦略】 

大問1(小問集合)で50点以上得点することがポイントになってくる。最低でも40点は得点しないと厳しい。(つまり大問1では、2問~4問しか間違えられないので、モデリングも確実に得点することが大事ということです。)

 

②大問2(確率)、大問3(モデリング)で10点ずつ得点する。

大問2、3にも食らいつくことが大事。しかし、ここは新傾向の問題が出やすいため、大問まるまる落とすことも普通にあるので、普段から誘導にうまく乗る訓練を積んでおく。

 

③過去問の焼き直しが多い科目なので、類題を確実に得点し、新傾向の問題にじっくり時間をかける

 

【私が行った対策】

①後述の導入書一覧

②過去問対策(H4~2018)

2019年度の数学で合格しました。数学を合格しておくと、選考の筆記試験が免除されることもあった上に、数理的素養をアピールできるのでおすすめです。

 

以下、確率・統計・モデリングに分けて説明します。

 

【勉強法】

〈確率〉

お馴染み、藤田岳彦先生の『弱点克服 大学生の確率・統計』です! これは、過去問への橋渡しの導入書としてとても有効でした。統計部分はちょっと手薄かもしれないですね。付録の「年金数理」「生保数理」「損保数理」などの部分は解かなくて大丈夫だと思います。これを一通り解き終えたら、過去問演習にすぐに取り掛かり、過去問の類題パターンを研究しましょう!

 先述しましたが、大問2は確率分野から出題され、ここはいくらでもアレンジ可能なので難化しやすい傾向にあります。それでも10点は得点するために、問題の誘導に上手く乗る訓練を過去問演習で積みましょう

 

弱点克服 大学生の確率・統計

弱点克服 大学生の確率・統計

  • 作者:藤田 岳彦
  • 発売日: 2010/04/09
  • メディア: 単行本
 

 

〈統計〉

 過去問への橋渡しの導入書としては、お馴染み、『明快演習 数理統計』です。

統計は、暗記の精度で得点できるかどうか決まってくるので、暗記で秒殺できる問題が多く(精密法など)、各章にある公式まとめページにある公式は必ずすべて暗記しましょう。こちらで公式の使い方を大体身に着けたら、すぐに過去問演習に取り掛かりましょう!公式の説明や解説が若干手薄なようにも思うので、物足りない方は、統計のアクチュアリー会指定教科書をお読みになるといいかもしれません。

 

明解演習 数理統計 (明解演習シリーズ)

明解演習 数理統計 (明解演習シリーズ)

  • 作者:小寺 平治
  • 発売日: 1986/10/01
  • メディア: 単行本
 

 

モデリング

 モデリングは、アクチュアリー会指定教科書・参考書と過去問演習のみで十分なように思います。暗記量が多いので捨ててしまう方が多い分野ですが、毎年15点分は出題され、暗記をすれば確実に得点できるので、必ず全問正解しましょう。統計同様、モデリングも、暗記の精度が得点できるかどうか左右するので、頑張って公式を覚えて臨みましょう!

 

【確率の前提知識がない初学者の方へおススメの1冊】

確率の前提知識がない方にもスイスイ理解が進む1冊ですので、初学者の方はこの1冊で学ばれるとよろしいでしょう。統計分野に関しては手薄な印象があるので、注意。

穴埋め式確率・統計らくらくワークブック (KS理工学専門書)
 

 

 

【計算力向上におススメの1冊】

 よもやの入門書ですが笑 本書には、微分積分の計算を大幅に軽量化できる裏ワザテクニックが沢山記載されている良書です!

数学は、問題量が多いため、「試験時間内に」微分積分を「正確に」解ききるためには、計算の軽量化は必須です。計算力にお悩みの方には、是非お勧めしたい本です!

 

【注意点】

〈電卓の使い方〉

計算処理能力が問われるので、如何に電卓を使いこなせるかが試験で重要になってきます。メモしながら解いていると時間が足りなくなるので、普段から練習しておくことが肝要です。

 

  • 電卓2台同時に使いこなせるか?(メモの手間が省ける)
  • モリー機能は使いこなせるか?
  • GT機能は使いこなせるか?

 

〈導入書に時間をかけすぎないこと〉

導入書の種類が多く、かつ出題範囲も広いので、導入書すべてを「完璧に」こなすことにこだわると、あっという間に10月とかになってしまいます。数学は過去問の焼き直しが多く、特に大問2、3は問題の誘導に対する慣れが重要になってくるので、導入書よりも、過去問を早期に完成させることを優先させてください。

 

〈計算量が多いので、問題の選球眼を過去問演習で養うこと〉

解ける問題(過去問の類題など)とそうでない問題(難問、計算量が多い問題など)を見分け、解ける問題を確実に取りこぼしなく得点する練習を過去問演習で養うことが肝要です解けない問題にハマるとあっという間に時間を溶かしてしまいますので、早めに見切りをつけることも、合格には必要なことです。そういった感覚は過去問演習で身につけられるので、問題を解く順序、見切りをつけることを意識しながら過去問に臨んでみてください。

 

〈暗記も大事だが、理解も大事〉

つまり、暗記も理解も両方使うことが大事ということです。暗記の精度が大事なのは言うまでもないですが、難しい年度になると、過去問の類題が少なく、計算量が多い新傾向の問題もある程度得点しないと合格点に達しないことも考えられます。そこで暗記偏重で、初見の問題をじっくり考える訓練が足りていないと、そういった問題を捨てざるを得なくなってしまいます。ですので、なるべく初見の問題は時間をかけて(10分でもいいので)、すぐに解答をみずに考える癖をつけてみてください。以下の点を中心に考えてみてもよいでしょう。

 

  • どの公式を論拠にしているのか?なぜその公式が論拠に出来るのか?
  • 出題者の意図は?
  • 別解はどのようなものがあるだろうか?
  • 解答に至るまでのストーリーはどのようなものか。なぜそうなるのか。
  • もう一度、自力で一から正解を導けるのか?
  • 類題はどのような問題がある?それはこの問題とどのような違いがあるのか?

 

〈計算を省略しない〉

「プロセスがあってたから、めんどくさい計算は端折ろう」とついつい考えてしまいますが、試験本番ではあっているかどうか分からない計算をし続けて正解まで導かなければいけません。なればこそ、普段から重めの計算をこなせる体力をつけておくことが重要になってきます。ですので、計算を間違ったら、自力で正解まで導出しなおすことを怠らないようにしましょう

 

【私の過去問演習スコア表】

過去問は6月初旬から始めました。

トータルの点数(大問ごとの得点) 日付

という表記で、例えば「45(15,11,19)  8/18」ならば「8月18日に解き、45点で、大問1は15点、大問2は11点、大問3は19点」という意味です。

ピンクは60点、は90点を超えた時を示しています。

この点数を目標にするというよりは、「最低限この点数は取れていてほしい」という目安として使ってくださいね(;^_^A

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 ※古い年度の過去問は、過去問演習ではなく、未出問題を拾いながら解いていたので、記録していません。また、日付を記録していない年度のものは、点数のみの記載となっています。